隠れ家的お店は隠れ家じゃない

 果たしてネットで"晒される"人は一方的な被害者なのか。
 一方、自己責任論を振りかざす側に非は無いのか。
 そういうことを考えてみました。


 まぁ、結局は自己責任論というか、諦観で行こうという結論になったんですが。

発端の引用

 たまごまごは嗜好が違うのであまり共感することはないのですが、それでも論考は面白いなーとか思って見ていました。
 ただ、今盛り上がってる記事については大いなる疑問を抱いちゃいましたね。*1

キモチワルイかもしれない。誰にも理解されないかもしれない。ただその時感激して心を揺さぶった物を愛しているだけなんです。誰にも迷惑なんてかけていない。
だから、見ないで。構わないで。

創作活動と「晒されたもの負け」の恐怖。 - たまごまごごはん

「オタク趣味を密やかに楽しんでいる少女が、何ものかの悪意によってサイトをネット上に晒され、それによって傷つく」というプロットを引いているのが引用元です。
 少女たちがウサギで、ネット上の不特定多数の他人がワニ、ネット上に晒されたことによってウサギはワニに食い殺されるという比喩で、ネット上の悪意について苦言を呈しています。

隠れ家的お店ってのがあったじゃない

 一昔前になんだか妙に流行った言葉ですが、"隠れ家的お店"というのがあって、どうやらこれは隠れ家みたいなお店らしいです。
 市街地の細い路地の隅っこに入り口があって、入り口の奥にある階段を降りるとそこにひっそりとバーがあったりするんです。
 知る人ぞ知るお店。みんなの隠れ家。客も店主も顔なじみで、部外者が入ってくることもない。
 しかし、市街地にある以上、見知らぬ人が入ってこないわけではなく、場合によっては道理を知らないお子ちゃまやチンピラやヤクザなんかも入ってきちゃったりするわけですね。


 ネット上の個人サイトってのはこれによく似てますね。
 隠れ家的だけど隠れ家ではない。
 門戸を開いている以上、誰でも入れてしまう。

悪意は仕方ないよ

 嫌な人ってのはいます。
 かく言う私も、こういうところに人の日記を引っ張ってきて偉そうに色々書いてるので、見る人によっては結構嫌な人に写ると思います。
 でもそれは仕方ないことですよ。
 それこそたまごまごが長々と記事を書くくらいしかできなかったように、せいぜい善意を啓蒙していくくらいしかない。
 でも、啓蒙で上手く事が運ぶなら、世の中からはポイ捨ても唾吐きもなくなりますよね、きっと。*2
 だから、もう悪意はどうしようもない。
「私は被害者なのよー! 嫌なこと言うのはやめてー!」
 なんて泣き顔で言っても、
「うっせーオタク、キモイんだよ」
 って言われて終わりです。

開き直るしかないね

 隠れ家的お店で細々とやっていきたいと思うマスターは、たぶん気の合う仲間と楽しく過ごす時間を夢見ていたのでしょうが、そんな甘いもんじゃないってことです。
 だって隠しきれてないんだもの。
 だから、がんばって自己防衛するしかない。

ただ、自分たちがいた場所が土足で踏み荒らされたことが悲しいんです。ただ、理不尽を甘受するしかないこの状況に耐えきれないんです。

答えがわからないから黙っているしかないんです。

創作活動と「晒されたもの負け」の恐怖。 - たまごまごごはん

 悲しいなら悲しいで結構ですが、かといって悲しんでいるだけじゃ何も解決しない。
 さりとて、人の悪意を消すという根本的解決は望めない。
 だったら、「一見さんお断り」の看板でも立てて、店内で無粋なことをする客がいたら追い出すなり、上手くあしらうなり、ともかく何らかの対処をしていくしかない。
 もしくは店を畳むか。
 隠れ家的お店のマスターはたぶんそういう対処を取るでしょう。


 だから、キモいオタクの人たちも、
「オタクでキモくて何が悪い。晒し上等、荒らしはアク禁!」
 ってな感じの対処をしていくしかないですね。
 もしくはサイトを畳んで、膝を抱えて涙を流すか。

前向きに強く生きるしかないね

 オタクは社会的弱者なんです、可哀想な被虐者なんです、っていう論調はもうそろそろいいでしょう。
 弱くて可哀想な人間かもしれませんが、別に他人にとってはそんなこと関係ない。だいたい、他人の悪意を受けてるのは何もオタクだけじゃないですから。
 他人の善意や悪意に振り回されるような生き方は疲れるだろうになぁ、と思います。


 窮鼠猫を噛むという言葉もあるし、ウサギが牙を剥いてみてもいいんじゃないかなと思いますよ。
 ワニに見えていた人たちが、案外トカゲだったりしますから。


「そんなのできないよ!」って人は、部屋の隅で泣いてればいいんじゃないですかね。ウサギみたいに。

*1:感想文に個人的感情が強くこめられすぎているだけなんだろうけど、どうもね

*2:個人的に大嫌いなんです